2025.06.05
【2025年春】高校進学説明会レポート|千葉県公立・私立高校の最新情報と入試動向
2025年春の塾対象「高校進学研究会」主催の高校進学説明会に参加してまいりました。
前回のブログでは、今年度の入試傾向について詳しくご紹介いたしましたが、本記事では千葉県内の公立・私立高校を中心とした最新の進学情報と制度変更の動向について、要点をまとめております。
特に、公立高校入試における制度変更や、私立高校の志願動向の変化は、今後の進路選択に大きく関わる内容となっております。
ぜひご一読いただき、お子さまの進路検討の一助としていただければ幸いです。
千葉県公立高校入試の最新動向
■ 受検者数と合格者数の状況
-
中学3年生:48,229名
-
公立高校受検者数:33,583名
-
合格者数:27,964名
なお、令和7年度は中学3年生の減少に伴い、県内21校で募集定員が減少しております。
■ 第3学区(流山市・柏市周辺)の動き
全体として中学3年生の人数は前年度比で507名減となる一方、第3学区に限ると81名増加とわずかながら増加傾向が見られました。
■ マークシート方式入試 2年目の傾向
-
選択式問題による配点:309点/500点
-
社会の選択問題は、前年度の64点から85点に増加
選択肢が複雑になるなどの出題形式の変化も見られ、結果として全体平均点はやや下降傾向となっております。
■ 公立高校志望率の推移
公立高校入試の一本化(前後期制の廃止)以降、公立志望率は**約70%**で推移しております。
10年前の76.7%からは減少しておりますが、現時点では下げ止まりの様相です。
■ 志願傾向と偏差値別の動き
-
偏差値40以上の学校では定員を上回る志願者数
-
偏差値40未満の学校では定員割れが継続中
-
偏差値65以上の学校の倍率は1.56倍
近年は「確実に合格できる学校を選ぶ」という安全志向が特に上位層で顕著となっています。
■ 内申点の上昇と地域差
令和3年度に**算式1(学校間での内申点調整)**が廃止され、内申点の水準が全体的に上昇傾向にあります。
-
成績が「4」以上の生徒:全体の49.8%
-
流山市のある中学校:3.44 → 3.74(4年間で+0.3)
-
柏市のある中学校:3.29と、学校間での開きも目立ちます。
■ 今年度(中3生)の変更点
以下の項目が調査書(内申書)から削除されました:
-
総合的な学習の記録
-
出欠の記録
-
行動の記録(第3学年)
-
総合所見
→ 内申の素点と学力検査の得点の重要性がさらに高まると予想されます。
■ 来年度以降の変更点(中2生対象)
-
国語の聞き取り検査が廃止
-
今後は、話し合い場面などを想定した文章読解形式に変更
■ 令和10年度以降の高校再編(中1生対象)
-
沼南高校と沼南高柳高校の統合
-
統合後は、「フレキシブルスクール」として、昼間二部制+通信制の体制に移行
-
使用校舎は、現・沼南高柳高校の予定
■ デジタル併願制度(構想段階)
現在、単願制の見直しと「デジタル併願制度」の導入が検討されているとの報道もあり、公立高校の志願動向に今後大きな影響を与える可能性があります。
私立高校の動向と制度の変化
■ 私立第一志望の増加
-
私立高校を第一志望とする生徒:25.3%(過去最高)
-
要因:授業料無償化、柔軟な対応、公立入試の一本化など
■ 併願推薦の廃止校の増加
-
例:二松学舎大柏(進学コース)、千葉明徳、千葉英和 など
私立高校の志願者数の増加に伴い、併願推薦制度を廃止する学校が増えています。
■ 人気校の志願者急増
-
中央学院高校B選抜
受験者数:令和4年度 811名 → 令和6年度 1,006名
■ 推薦基準の上昇傾向
-
光英VERITAS高校が推薦基準の引き上げを発表
-
他校も同様の動きが見込まれており、学力と内申の両面での備えがより重要になります
おわりに
高校入試制度は、今まさに大きな転換期を迎えています。
特に制度変更の影響を受ける現中3・中2・中1世代のご家庭にとって、早期の情報収集と的確な進路設計がますます重要になっています。
当教室では、今後もこうした最新情報を随時発信してまいります。
不安な点やご相談がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。